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Medical column とまこまい医報

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DPC制度とは

DPC制度とは

藤咲 淳

(苫小牧市医師会・苫小牧市立病院)

DPCという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。従来、病院に入院すると支払いは入院料、検査、薬剤などの診療行為ごとの合計額という「出来高払い」方式によっていました。それに対してDPC(Diagnosis Procedure Combinationの略)は、入院患者の病名や症状をもとに手術などの診療行為の有無に応じて厚生労働省が定めた1日当たりの診断群分類点数をもとに医療費 を計算する「定額払い」方式です。 つまり「出来高払い」方式では使った薬の種類や量、検査の回数などによって医療費が変わりますが、DPCでは例外はありますが、病気によって医療費が決まり、薬、注射、検査はすべて一定の医療費に包括されてしまうという制度です。

 DPCによる支払い方式は平成15年より試行が開始され、毎年急性期病院を中心に急速に広がり、現在では全国の急性期病床の半数以上はDPC制度の対象となっています。出来高払いでは短期間で効率よい医療を行えば行うほど医療機関に対する報酬額が報われないという一種の矛盾がありましたが、DPCではこのような医療提供に対しては優遇されるシステムになっています。これは、患者さんにとっても、医療提供を行う側にとっても、結果として日本の総医療費の節減にも利益があると考えられています。さらにDPCでは医療従事者の配置数、医療安全対策の有無や医療提供体制の違いによって診療報酬に差があるため、それぞれの医療機関は手厚い体制の整備に努めています。

 またDPCを採用している病院では一人ひとりの入院患者さんの詳しい診療内容を毎月厚生労働省に提出しています。このデータ提出により同じような疾患で入院した患者さんがいつどのような検査を受け、どのような薬を使われ、どれくらいの入院期間で退院されたかを知ることができるようになりました。つまり全国規模で自病院と他病院の診療内容の比較が可能となり、自病院の改善すべき点や進めていくべき方向性が明確になりました。

 今まではほとんどの病院は自分の病院の診療内容しかわからなかったのですが、全国の病院の診療内容の可視化を通じて医療の適正なコストを知り、診療内容の標準化を目指すことによって国民に質の高い医療提供をしようとするのがDPC制度の本来の目的と考えられています。

2011年06月28日 苫小牧民報 掲載

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