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葉酸について

葉酸について

岩城 雅範

(苫小牧市医師会・岩城産婦人科)

葉酸はビタミンBの1つです。4月3日は葉酸の日です。そのくらい重要な栄養素です。葉酸の効能は、胎児の神経管閉鎖障害(例えば二分脊椎、無脳児、脊髄髄膜瘤)の予防です。妊娠1週から2週までが特に必要です。妊娠検査薬に反応がでるのは4週目なので普段から葉酸の摂取が必要です。また葉酸は貧血や動脈硬化の予防、大腸癌の予防に役立ちます。大腸がんの予防にはさらにビタミンB6、B12を併用すると更に効果的です。葉酸は細胞の生成や修復に必要です。例えば口内炎に良く効きます。さらにアンチエイジング、特に卵子卵巣の老化を防ぐ作用もあります。これは遺伝子のメチル化や脱メチル化、わかりやすく言うと遺伝子の働くスイッチのオンオフに葉酸が関わっているためです。では葉酸を摂取することで癌の遺伝子が働いて癌が増えることはないのでしょうか。

これは大規模な調査で癌は増加せず大腸癌は減少することは証明され安心です。次に葉酸の摂取についてです。葉酸の吊のとおりホウレンソウに多く含まれ他にブロッコリ*、グリ*ンアスパラなと゛緑の濃い野菜らに多く含まれます。ただし水に溶けやすく熱に弱いためさっと茹でるか炒めるか、例えばブロッコリ*なら30秒熱湯にいれて終了。

生に近い状態です。ところが卵は葉酸の含有量が高く例外的に加熱に強く加熱しても80%葉酸か゛残っています。また葉酸を通常の卵より多く含んだ卵も発売されています。通常の人の葉酸の1日必要量は240マイクログラムです。しかし妊娠中の人は600マイクログラムと最近言われています。ホウレンソウで言えば10束に相当します。しかも日本人の遺伝子の調査で人によっては葉酸の吸収率の悪い人が多いこともわかってきました。

それゆえ食事で補うことは妊婦には難しくサプリメントとして摂取がお勧めです。通常の葉酸は肝臓で構造が変化してから効果がでますが、活性型葉酸は飲んで直接作用するのでより効果があります。気をつけてほしいのはレバ*はものすごく葉酸を含有していますが、ビタミンAも多量に含有しています。ビタミンAは胎児の奇形を増やします。妊娠希望の人、上妊治療中の人や妊娠中の人はレバ*は食べないでください。またタバコは1本で摂取したすべてのビタミンをほぼ壊します。タバコはやめましょう。

2014年06月10日 苫小牧民報 掲載

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